【必見】テレビが一局だけ映らない！原因と自分でできる直し方

テレビの1チャンネルだけが映らない原因とは？

テレビが一局だけ映らないという現象には、さまざまな原因が潜んでいます。単なる機器の故障と思われがちですが、実際には電波の性質や周辺環境、アンテナの状態、テレビ本体の設定など、複数の要因が絡み合っていることが多いです。まずは、どのような原因が考えられるのかを整理することで、適切な対処法を見つけやすくなります。以下では、代表的な原因を一つずつ詳しく解説していきます。

原因①：チャンネルごとの周波数の違い

地上波放送（地デジ）は、放送局（チャンネル）ごとに異なる周波数を使って電波を送信しています。テレビのアンテナは、これらの様々な周波数の電波をキャッチして映像を映し出しています。電波には周波数によって性質が異なるという特徴があり、例えば、高い周波数の電波は直進性が強い反面、障害物の影響を受けやすいといった特性があります。そのため、何らかの理由で特定の周波数の電波だけが弱くなり、その周波数を使っているチャンネルだけが映らなくなることがあります。

原因②：周辺の建物や障害物による遮断

ご自宅と電波塔の間に、高層マンションやビルが建設された、あるいはクレーンを使った工事が始まったといったことはないでしょうか。このような高い建物や障害物は、電波を遮る「遮蔽障害」の原因となります。また、建物に電波が反射して受信が乱れる「反射障害」が起こることもあります。特定の方向から来る電波が遮られたり乱されたりすることで、その電波塔から送信されている放送局のチャンネルだけが映らなくなるケースは少なくありません。
また、ご自宅の近くにある樹木の成長によって電波が遮られることもあります。

原因③：電波障害の可能性

電波障害は、ご自宅の問題だけでなく、地域全体が影響を受けているケースもあります。

放送局の電波障害

ご自宅の設備に問題がなくても、放送を送信している放送局側で技術的なトラブルやメンテナンスが行われている可能性があります。この場合、その放送局のチャンネルは広範囲で視聴できなくなります。
まずは、該当する放送局の公式サイトやSNS（X〈旧Twitter〉）などで、障害情報やメンテナンス情報が発表されていないか確認してみましょう。

電波が弱い・電波が強すぎる

お住まいの地域がもともと電波の弱い地域の場合、少し天候が悪化しただけでも、特定のチャンネルの受信レベルが必要な基準を下回ってしまい、映らなくなることがあります。
逆に電波が強すぎると、テレビの受信回路が許容量を超えてしまい、正常に映像を処理できなくなることで、特定のチャンネルだけが映らなくなってしまいます。

原因④：アンテナの問題

アンテナ関連のトラブルは、見た目では異常が分かりにくいこともあります。特に、アンテナケーブルや周辺機器の劣化は徐々に進行するため、安定した視聴環境を保つためには定期的な点検や交換が重要です。

悪天候による影響

台風やゲリラ豪雨、大雪などの悪天候は、テレビの映りに影響を与えることがあります。特にアンテナの向きがほんの少し変わるだけで、特定の電波塔からの電波をうまく受信できなくなり、その結果として一局だけ映らなくなることがあります。

アンテナケーブルの断線・劣化

屋外に設置されているアンテナケーブルは、常に紫外線や雨風にさらされているため、時間とともに劣化していきます。ケーブルの外側のカバーが破れたり、内部で断線したりすると、特定の周波数の信号が通りにくくなり、チャンネルの映りに影響を及ぼすことがあります。

分配器・分波器・ブースターの不具合

アンテナで受信した電波は、分配器や分波器、ブースターといった周辺機器を経由してテレビに届きます。これらの機器の不具合も、映りが悪くなる原因となります。

1. 分配器：

   アンテナからの信号を複数のテレビに分ける機器です。故障すると、特定のチャンネルの信号だけがうまく伝わらなくなることがあります。

2. 分波器：

   地上波放送（地デジ）と衛星放送（BS/CS）の電波を分ける機器です。故障や接続ミスが、映りに影響することがあります。

3. ブースター：

   電波を増幅する機器で、電波が弱い地域などで使用されます。故障すると、特定の周波数帯をうまく増幅できなくなったり、ノイズを発生させてかえって受信状況を悪化させたりすることがあります。

アンテナ本体の故障・経年劣化

テレビアンテナ本体の寿命は、一般的に10年程度と言われています。長年使用していると、風雨や塩害などで錆びたり、素子（魚の骨のような部分）が折れたりして受信性能が低下します。その結果、もともと受信しにくい周波数のチャンネルから順に映らなくなっていくことがあります。

原因⑤：テレビ周りの問題

特定のチャンネルだけが映らない場合でも、テレビの設定や接続状態を見直すことで、簡単に改善することがあります。

テレビの一時的な不具合

テレビを長時間使用することで、一時的なエラーやフリーズを起こすことがあります。このような内部的な不具合によって、特定のチャンネルが映らなくなることも考えられます。

CASカードやテレビ本体の設定ミス

B-CASカード（またはACAS（エーキャス）チップ）は、地上波（地デジ）/BS/110度CSデジタル放送を視聴するために必要なカードで、テレビ本体に正しく挿入されている必要があります。カードの挿入向きの間違いや、接触不良、ICチップの汚れによって、エラーメッセージが表示され番組が映らなくなることがあります。また、引越しをした後や、放送局側で周波数の変更があった場合、テレビ本体のチャンネル設定が古い情報のままだと映らないことがあります。

ケーブルの劣化や接続不良

テレビの裏側にあるアンテナ入力端子と、壁のアンテナ端子をつなぐケーブルが、掃除などで動かした際に緩んだり、抜けかかったりしていることがあります。このわずかな接続不良が原因で、特定のチャンネルの信号だけが届かなくなる場合があります。

テレビ本体の故障や寿命の可能性

様々な対処法を試しても改善しない場合、テレビ本体の故障も考えられます。特に、特定のチャンネルの電波を選んで受信する「チューナー」という部品が故障すると、そのチャンネルだけが映らなくなります。長年使用している場合は故障の可能性も視野に入れる必要があります。

原因⑥：（集合住宅向け）共用設備の不具合

マンションやアパートなどの集合住宅では、屋上に設置された共同アンテナから各部屋へテレビ信号が分配されています。この共同アンテナや、電波を増幅するブースター、各部屋へ信号を分配する分配器といった共用設備に不具合が発生すると、建物全体で特定のチャンネルが映らなくなることがあります。この場合は個人での対処は難しいため、管理会社や大家さんへの連絡が必要です。

集合住宅での電波障害の原因と対処法については、下記の記事をご覧ください。

テレビの電波障害？管理会社・組合が知っておくべき原因と対処法を解説

自分でできる対処方法

テレビの特定のチャンネルだけ映らないというトラブルは、テレビの再起動やテレビ周辺の接続の見直しといった簡単な操作で解消できることがあります。ここでは自分でできる対処法について、解説していきます。

対処法①：テレビを再起動する

テレビの一時的な不具合が原因の場合、再起動で改善することがあります。
リモコンで電源を切るだけでなく、テレビ本体の電源プラグをコンセントから抜き、2～3分待ってから再度差し込んでみてください。これにより、テレビ内部に残っている電気が自然に放出され、キャッシュや一時的な設定がクリアされる可能性があります。
各メーカーのウェブサイトや取扱説明書には、詳細なリセット方法やトラブルシューティングが記載されていることが多いので、参考にしてみましょう。

対処法②：B-CASカードを差し直す

テレビのB-CASカードの接触不良が原因の可能性があるため、以下の手順で差し直してみましょう。

※ACASチップの場合はテレビやレコーダー内に搭載されており抜き取ることができません。テレビメーカーや販売店にご相談ください。

1. 【確認方法】

2. ①機器の電源プラグを抜く

   感電や故障を防ぐため、作業前に必ず電源を切り、コンセントからプラグを抜いてください。

3. ②テレビやレコーダーに挿入されているB-CASカードを抜く

   カードはゆっくり丁寧に引き抜きましょう。無理に引っ張ると破損する恐れがあります。

4. ③カード裏面にあるICチップを柔らかい布で優しく拭く

   ホコリや汚れが原因で接触不良になることがあります。乾いたメガネ拭きなどの柔らかい布を使うと安心です。

5. ④正しい向きで差し込む

   カードには挿入方向が決まっています。向きを確認し、奥までしっかり差し込んでください。

6. ⑤電源プラグを差し込み、電源を入れる

   機器の電源を入れた後、テレビ画面にエラーが出ないか確認しましょう。

対処法③：チャンネル設定の再スキャン

引越し後や、お住まいの地域で放送局のチャンネル変更があった場合などに有効な方法です。テレビのリモコンを操作し、設定メニューから「チャンネル設定」や「初期スキャン」を選んで、チャンネルを再スキャンしてみましょう。
チャンネル設定の方法はテレビ設定ガイドをご確認ください。また、メーカーや機種によって操作方法が異なるため、テレビの取扱説明書も一緒に確認しましょう。

対処法④：テレビ周りのケーブル・機器の接続状態をチェック

壁のアンテナ端子から、分配器やレコーダーなどを経由して、テレビのアンテナ入力端子に至るまでのすべてのケーブル接続を確認します。ケーブルが緩んでいたり、抜けかかったりしていないか、一本ずつ手でしっかりと奥まで差し込み直してみてください。ケーブル自体に傷や折れ曲がりがないかもチェックしましょう。

1. 【ケーブルの確認方法】

2. ①ケーブルがしっかり接続されているか確認する

   ケーブルがテレビ背面の「BS」または「BS/110度CS」と記載された端子に正しく接続されているか確認しましょう。また、緩みや抜けがないかを確認し、接続部分が緩んでいる場合は奥までしっかり差し込み直してください。

3. ②ケーブルの断線や変形がないかを確認する

   ケーブルが断線していたり、曲がったり、潰れたりしていないかを目視で確認しましょう。

4. ③外装の破れや内部の露出がないか確認する

   外装が剥がれていたり、内部の線が見えている場合は感電の危険があるため、使用しないでください。

5. ④破損しているケーブルは交換する

   安全のため、破損が確認されたケーブルは速やかに新しいものに交換してください。

なお、壁のアンテナ端子やコンセントの近くにブースターがある場合は、ブースターに不具合が起きていないかも確認してみましょう。ブースターの電源確認と再起動方法については、下記の記事をご覧ください。

【確認リスト付】テレビE202エラーの原因と対処法は？初心者向けに解説

対処法⑤：アンテナの向きを微調整する

これは戸建て住宅にお住まいで、ご自身で安全にアンテナを触れる場合に限られます。屋根の上など高所での作業は大変危険ですので、絶対に無理をせずアンテナ工事専門業者に依頼してください。
ベランダの手の届く範囲にアンテナが設置されている場合は、テレビのアンテナレベル表示画面を確認しながら、アンテナの向きを数ミリ単位でゆっくりと動かして、受信レベルが最も高くなる位置を探します。

1. ①リモコンの「ホーム」「メニュー」などのボタンを押し、テレビの設定画面を表示する

   機種によってボタンの名前が異なる場合がありますが、「ホーム」や「メニュー」ボタンを押すと設定画面に入れます。画面に表示される案内に従って操作しましょう。

2. ②「放送受信設定」などの項目を選択する

   「放送設定」「チャンネル設定」などの名前になっていることもあります。受信に関する項目を探して選んでください。

3. ③「アンテナレベル」「受信レベル」などを選択する

   この項目では、テレビがどれくらい電波を受信できているかを確認できます。選択すると数値やバーグラフが表示されます。

4. ④現在のアンテナレベルの表示を確認する

   数値が高いほど受信状態が良好です。低い場合はアンテナの向きや接続を見直す必要があります。メーカーによって異なりますが、テレビを安定して視聴できる目安が、地上波（地デジ）の場合は「50〜60以上」、BS/CSは「60〜70以上」とされています。

自分で解決が難しい場合

上記の対処法を試しても改善しない場合は、以下の内容を検討しましょう。

アンテナ専門工事業者へ依頼する

上記の対処法を試しても改善しない場合、原因はアンテナ本体やブースターの故障、屋根上でのアンテナの向きのズレ、アンテナケーブルの断線など、専門的な知識や技術が必要なケースが考えられます。
特に高所での作業は落下の危険を伴うため、無理に自分で解決しようとせず、アンテナ工事の専門業者に調査と修理を依頼するのが最も安全で確実です。

テレビの買い替えの検討

テレビの寿命と考えられる場合は、修理費用と新しいテレビの購入費用を比較検討するのも一つの手です。テレビ内部のチューナーなどが故障している場合、修理費用が高額になることもあります。最新のテレビは省エネ性能や画質も向上しているため、買い替えが結果的に良い選択となることもあります。

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戸建てにおすすめの光回線とは？コラボ事業者の特徴や選び方を紹介

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テレビが一局だけ映らない時によくある質問

Q. テレビで映らない特定の地上波（地デジ）チャンネルが、レコーダーを通すと映るのはなぜですか？

A. 主に以下の3つの要因が考えられます。

1. 1. レコーダーのチューナー性能の違い

   テレビ本体よりもレコーダーの方が電波の受信感度が高く、弱い信号でも映像を表示できることがあります。

2. 2. アンテナ信号の経路の違い

   アンテナからの信号がレコーダーを経由することで、ブースター（増幅器）などを通り、信号が強化されている可能性があります。

3. 3. テレビ側の設定や故障

   テレビのチャンネル設定が正しくない、またはアンテナ端子や内部部品に不具合がある場合、レコーダー経由でのみ映ることがあります。

Q. 引越し後、テレビのレコーダーで特定の地上波（地デジ）チャンネルだけ受信できない、または録画できない原因は何ですか？

A. 主に以下の5つの原因が考えられます。

1. 1. チャンネル設定が旧住所のままになっている

   地上波（地デジ）は地域ごとに周波数が異なるため、引越し前の設定のままだと新しい地域で特定の局だけ受信できないことがあります。レコーダーの「自動チャンネルスキャン」や「地域設定の再登録」を行いましょう。

2. 2. アンテナの向きや受信環境の問題

   地上波（地デジ）の各局は異なる中継局から電波を送信しており、一局だけ電波の方向が違うことがあります。アンテナの向きが合っていないと、その局だけ映らないことがあります。アンテナの再調整やブースターの設置が有効です。

3. 3. アンテナケーブルや分波器の接続不良

   レコーダーとテレビの接続が複雑な場合、地上波（地デジ）用のケーブルがBS/110度CS端子に誤接続されている、またはケーブルが劣化していると、特定のチャンネルだけ映らないことがあります。ケーブルの差し直し・交換を試してみましょう。

4. 4. 集合住宅の共用アンテナ設備の不具合

   マンションやアパートでは、共用アンテナ設備の設定ミスや故障により、一部のチャンネルだけ受信できないことがあります。管理会社や大家さんに設備状況を確認しましょう。

5. 5. 放送局側の電波障害やメンテナンス

   まれに、放送局側の送信トラブルやメンテナンスにより、一局だけ映らないことがあります。放送局の公式サイトやSNS（X〈旧Twitter〉）などで障害情報を確認すると原因が分かることがあります。

6. 補足：録画できない場合の注意点

   録画予約時にチャンネル番号が誤っている、または受信できていないチャンネルを予約していると、録画失敗につながります。録画設定のチャンネル番号を再確認してください。

Q. テレビが一局だけ映らないE203は故障ですか？

エラーコードのE203は、定期メンテナンスなどで放送休止中のチャンネルを選局した場合に表示されます。E203が表示されて一局だけ映らない場合は、選択しているチャンネルが放送休止中の可能性が高いです。
テレビの番組表に放送休止の表示が出ていないか、放送局の公式サイトに放送休止のお知らせが掲載されていたりしないか確認することをおすすめします。
放送局から情報が出ていない場合は、一時的なテレビの不具合やケーブルの接続不良、アンテナの不具合などの可能性もあります。 視聴トラブル診断（戸建て向け）をご活用ください。

まとめ：映らないチャンネルを復活させるためには？

テレビの一局だけが映らない原因は多岐にわたりますが、多くは電波の受信状況に起因しています。慌てて修理を依頼したり、買い替えを検討したりする前に、まずは自分でできることから試してみましょう。問題を切り分け、原因を特定することが解決への近道です。

自分で原因を解消するためのチェックリスト

チェックリストを活用することで、原因の切り分けがスムーズになります。順番に確認することで、見落としを防ぎ、効率的に問題解決へとつなげることができます。
まずは、テレビの一局だけが映らない原因を解消するために、以下の5つの方法を試してみましょう。

上記を全て試しても改善しない場合や、高所作業など危険な場合は、アンテナ工事専門業者に相談しましょう。

光回線テレビ導入の検討

テレビの映りが不安定で悩んでいる、アンテナ周りのトラブルに悩まされているなら、光回線テレビも有力な選択肢です。

光回線テレビの導入が適しているケース

• ・天候や周辺環境による受信トラブルに悩みたくない
• ・アンテナのメンテナンス費用を避けたい
• ・自宅の景観を綺麗に保ちたい

アンテナ工事と光回線テレビの比較検討

初期費用や月額費用、工事の手間などを比較検討し、ご自身のライフスタイルや住環境に合った方を選びましょう。アンテナ工事は一度設置すれば月額費用はかかりませんが、光回線テレビは月額費用が発生します。

テレビアンテナと光回線テレビの費用相場について知りたい方は、下記をご確認ください。

新築にテレビアンテナはいらない？アンテナ工事いらずの視聴方法とは

長期的な視点での費用対効果の考慮

アンテナ本体の寿命やメンテナンス費用、将来的なトラブルリスクなどを考慮すると、光回線テレビの月額費用が結果的に安く済むケースもあります。安定した視聴環境を重視するなら、光回線テレビは非常に魅力的です。

この記事が、あなたのテレビトラブル解決の一助となれば幸いです。